あきらかに作り話と思われる項目のほかは、案外事実に基づいているとのこと、衝撃ですね。
よく観察すれば皆さんの周りもそうでしょうとおっしゃいますが、そうでしょうか。

仮に、そうだとしても、筆者のような視点で観察でき、その感性で表現できるところはさすがに素晴らしいです。
この日記の更新もめちゃくちゃ久しぶりですが、この作品も久しぶりに図子慧さんらしい世界ではないかと思います。

もうすぐ実現できそうな近未来のハイテクと、一般人とは隔絶されたハイソな方々の中で起こる解決困難な問題と残酷な世界。少しアブノーマルな人間関係。
存分に浸らせていただきました。

しかし、ウェアラブルコンピュータも人間とのインタフェースを密にするには痛そうですね。。。^_^;
そうか、幽霊ですね。
うまい表現だと思いました。

怖いと思う心が見せる実在しないもの。
疑心暗鬼が作り出す虚像。

だけどやっぱり何もないわけではない…
単なる錯覚ではない

お話の中に出てくる同好会の議題が、毎回笑えます。
少年、少年の好きなお姉さん、お姉さんが出すペンギンと不思議な生き物、草原に浮かぶ海。

京都を舞台にしたいくつかのお話のような雰囲気ではなく、もう少し現実的と言うか、絶対にありえないと思えないところが、奇想天外と言う面ではちょっと物足りないけど、でも、わくわくしました。

少年のお姉さんに対する思いも詳細だし、最後までお姉さんは謎だし。
こういう世界にあこがれてしまった…と言うことでまた負けたなぁ。
こんな人もいるのかなぁって感じの不思議な人ですね。読んでいるだけでこちらが飲みすぎて気分が悪くなるような感じでした。

30代半ばの女性と50代後半の男性の恋の行方に、ちょっと期待しながらも、もどかしさにいらいらしながらも、なんかいい感じになってきたのにね。

登場人物がみんな個性的で、その個性が魅力的に描かれていて面白かったです。

神様 2011

2012年3月28日 読書
「こういうお話を書きました」と言うご本人の紹介をどこかで読んだので、だいたい内容は想像できましたが、全く想像通りのものでしたね。

何か、行き場のない怒りが伝わってきます。

有頂天家族

2012年3月16日 読書
相変わらずテンポもいいし奇想天外で楽しめます。
狸かわいいし。
思わず一生懸命応援したくなりますね。

京都の地名や地理は理解していることがディフォルト。その辺は作者は厳しいですね。

風花

2011年10月26日 読書 コメント (1)
ずっと前に買って、途中まで読んだのですが、そのまま放置していました。
あるまじき行為なのですが理由は3つ。
(1)本のカバーがなかった。電車の中で本を読むのに、カバーがないとちょっと抵抗有るんですね。
(2)主人公の行動がもどかしかった。もうちょっとはっきりしろよ!って前半は思ってた。
(3)毎日パソコンを持ち歩く生活で、鞄が重すぎて単行本を持ち歩く余裕がなかった。

最近はパソコンも持ち歩く必要が減ってきたし、カバーも作ったので、改めて最初から読み直しました。
ちゃんと読むと、(2)も問題ないじゃない。
ちゃんと考えている。
やはりお友達になりたいタイプですね。
最後は、男にとってはやりきれないかもしれないけど。

駅神ふたたび

2010年4月25日 読書
いつの間に続編が出ていたんでしょうか。
全くチェックしていませんでした。
偶然発見してあわてて注文しました。

お話は、続編ですね(笑)
前回同様、以前の作品のような心が痛くなる逼迫感はなく、あまり無いような日常の雰囲気です。相変わらず卦の解釈は難しいです。感心します。

卦の戦いのシーンはちょっと喜ばせてもらいました。

さて、後ろの解説を見ながらもう一度読み直すか…(笑)。

算数宇宙の冒険

2010年3月13日 読書
リーマン予想を冒険物語にしたと言うのがおもしろそうで読んでみました。
数学には詳しくないですがとても興味が持てました。
特にゼータ関数のゼロ点と音楽の関係など、へ~と思うことが多かったです。

気に入ったのは複素平面での冒険。
特異点を実際(?)世界のできごとに表しているところがおもしろいです。
説明されてもなかなか数式を「鑑賞」することは出来ないですが、不思議な世界を一時的にでも楽しめます。
もしかしたら、既に過去に書いているかもしれないけど、図書館で書架を通りかかったときにたまたまあったので借りて読みました。

思春期の娘と失踪した夫と、妻子ある男性との関係に、細かな感情の動きが独特の表現で繰り広げられるお話し。

特に失踪した夫への感情が微妙で、それを「ついてくるもの」(幽霊?自分の感情の分身?)との語らい、やり取りで展開される。

真鶴ってどこだっけ。
思わず行ってみたくなる不思議な舞台になっている。

ついてくるもの、自分にもほしいと思う。
いつものようにちょっと寂しい気持ちになります。

真鶴 文藝春秋 
今日から朝日新聞で連載が始まりました。

本を買わなくても読めるのは嬉しいけど、毎日読まなければならないのはかなりプレッシャーです。

一回分のお話しはとても短いのに、第1回目から、十分世界を作り出しています。
すごいことですね。

富士山の形をしたベルトのバックルのお話し。

何気ないものから予想も付かないお話しを思いつくのだなぁと思ったけど、恋多き女性はこの人の場合ディフォルトなんだね。

やはり、人は占いとかおまじないからは「のがれられないもの」なんだ。

Ku:nel 2008.11.1 Vol34(マガジンハウス)
それぞれに違った種類の、しかし、やりきれないほど淋しいと思う4つの話し。

未来予報 あした、晴れればいい
 未来が時々見えるという転校生に、もしどちらかが死ななければ将来結婚すると予言された同級生のおとなしい女の子。確かに、子供の頃、こんな事を言われればお互い意識して避けてしまうと思う。避けながらもことあるごとに相手のことを考え、気がつくと家族の様に深い存在になっていることはよくわかります。
華やかな恋愛ではなくても、嬉しいときも、悲しいときも、暇なときも、「ああ、あの子はどうしているだろう」って思い続けていると、結婚していなくても長年連れ添った妻のように感じるでしょうね。かわいそうでけなげで泣けます。

手を握る泥棒の物語
 アイドルが感じた淋しさ?

フィルムの中の少女
 怖いです。でも、切ないです。
この少女が現れているのは、恨みや未練ではなく、自分を見つけてもらえない淋しさ。

失はれた物語
 植物状態になっても意識だけは正常なら?この男性の勇気ある決断が切ないです。この話は電車の中で読んではいけません(笑)。

この本に興味を持って読んでみようと思う方は、あまりにも興ざめなので、あとがきは読まないことをお勧めします(あ、乙一さんをよくご存じなら、大丈夫ですね。)
私は気に入った本は2度3度続けて読み返すのですが、後書きを読んでその気がなくなりました(笑)。お話しはとても良かったのですけどね。

さみしさの周波数 乙一 角川スニーカー文庫
音楽で感情を表現することがとても得意でも、文章で表現することはちょっと苦手なのかな~、と思いました(^_^;。

でも、コンサートの舞台裏やイベントでの出来事、普段感じていることなどとても興味深く読みました。

人を元気にする仕事っていいですね。

子供の時はちょっと変わった子だったようです。

「あなたが輝くとき」西村由紀江 成美堂出版 sasaeru文庫
書評を見て興味を持て読んでみました。

確かに、一目惚れと言うことは日常あまりないにしても、人目嫌いというか、電車の中であれどこであれ、見ず知らずの他人にほとんど理由もなく「嫌い」と思うことがよくあります。

その理由について、あまり深く考えていませんでしたが、自分がその人を嫌いだと思う理由のほとんどは、自己防衛のための思いこみであることがわかりました。

また、それほど簡単に他人を嫌うのだから、自分も同様にあらゆる人から「特に理由もなく」嫌われていると言う指摘は言われてみれば当然のことでした。

嫌いの八つの原因は参考になります。
1.相手が自分の期待に応えてくれないこと
2.相手が現在あるいは将来の自分に危害(損失)を加える恐れがあること
3.相手に対する嫉妬
4.相手に対する軽蔑
5.相手が自分を「軽蔑している」という感じがすること
6.相手が自分を「嫌っている」という感じがすること
7.相手に対する絶対的無関心
8.相手に対する生理的・観念的な拒絶反応

これらは段階的に進んでいきますが、大切なのは嫌いは好きと同様自然な感情であって、無理に否定する必要は無いと言うことです。

嫌いということをじっくり考えてみることは、ゆとりができたように感じますよ!

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ひとを<嫌う>ということ 中島義道 角川書店
ku:nelは川上さんの作品を読む以外にあまり見たい部分もないので(汗)図書館で借りています。ただ、とても人気のある雑誌らしく、予約しても半年待ちです。
まぁ、急ぐ理由もないので半年遅れで読んでいます。

前回のVol32以降もVol33、Vol34と借りて読んでいましたが、どうも新年以降、読んだだけいなっていました。
単行本の風花も半分ほど読んだところで止まっています。
忙しくて心に余裕が無く川上さんの世界が入ってこなかったのだと思います。

今日、Vol35の順番が回ってきて借りてきました。
ちょうど先週の金曜日に自分の心にも転機があったので、久しぶりに読書記録を残しておきます。

現実にはありそうにないほど「フラット」な家庭で育ったうみ。
その考えになじめない自分は凡庸なのだと思っています。
10年働いた会社もある日突然「もういいや」って辞めてしまいます。
「人間関係なんて、会社の生活には無関係だと思っていたけど、周囲の人たちのあたしに対する無関心は、きっと知らないうちにあたしの気持ちをむしばんでいたのだ。」

そうなんですね。周囲に自分の無関心が伝わると周囲からも無関心になり、元々はどうでもよかったことのはずなのにストレスとなってのしかかってきます。

うみは子供の時から大切にしている輪ゴムを心の支えにしている。
特に理由はないので誰にも言わない。
でももうすぐそれに代わる心のよりどころが得られるって気がしているんですね。

久しぶりに、うん、そうだ…って思いました。

ku:nel vol35 2009.1.1 マガジンハウス
人生の岐路のような決断が必要なときに現れる自分の分身。
それは過去の自分なのだけど、自分の分身を「しっぽ」と表現するのは自然な発想なのかな。

誰かに決断を助けてもらっていると思っていても実は自分でよく考えていたのかも。
短い話しでもいつもの世界を十分感じられました。

ku:nel vol32 2008.7.1 マガジンハウス
大原まり子は好きな作家の一人なので昔はよく読んでいたのですが、最近ちょっとご無沙汰と思っていたらブックオフでこれを見つけて買ってきました。

読んだこと有るんだろうけど、すっかり忘れていてまた楽しめたという感じです。
1993年~1995年頃の作品なので、特有のエッチで下品な描写もちょっと無理矢理感があって痛々しいかな…と(^_^;

登場するPCも486だったり、インターネットのブラウザがモザイクだったり、ダイヤルアップで接続したり…と、ほんの少し前のことなのにすっかり懐かしいですね。

仕事帰りの疲れた心で読むにはとてもいいです。

ISBN4-19-860384-7 オタクと三人の魔女 大原まり子 徳間書店
40をとおに過ぎても結婚しなかった娘が母親を誘って車で温泉旅行に行く話。

母親はいくつになっても自分の子供を幼子のように感じている。娘はいつか母親をかわいいと思い出すとともに、自分にも娘があったらいつか同じようなことを体験できたかなぁと感じている。

ありふれた日常を描いている風に見えながら、この世に残された心から頼れる人を描いていて切ない。やってみたかった小さな望みを叶えてくれる存在だと思う。
親にしてみれば「誰か男の人と…」に多少の本心もあるのかもしれない。

この文庫に収録されている他の作家も、同様に恋人や夫婦や昔の恋を描いている。それぞれにおもしろくて感動できる。
でもやはり川上さんはちょっと違う世界かも。

あなたと、どこかへ。 (文春文庫 編 2-36)

http://www.amazon.co.jp/gp/product/images/4167717824/sr=8-1/qid=1224081101/ref=dp_image_0?ie=UTF8&n=465392&s=books&qid=1224081101&sr=8-1

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